ルールのない世界のためのルール
アナーキーは、ほとんど何でもありの世界だ。でもその「ほとんど」は誰かが考えなければならない。倒された人から何が落ちるか、爆発で何が壊れるか、他人の首に誰が払うか。9月の2週間で、アナーキーには答えができた。そしてゲームに今までなかった武器も。
静かな1か月
9月7日から作業はすべてアナーキーに向かい、プレイヤーのサーバーではずっと9月4日のバージョンが動いていた。この章で語ることは全部、プレイヤーは一度に見ることになる。10月2日、アナーキー公開の日に。
最初の数日は土台づくり。9月8日、アナーキーに自前のお金と、出現地点まわりの保護された四角ができた。そこでは建てることも壊すこともできず、断るときは必ず言葉で理由を言う。同じ日サバイバルには経験値ができた。モブを倒すともらえて、食べ物と交換できる店つき。そして自前の名前をもつ13のエフェクト。軽快、足止め、熱意、だるさ、治癒、汚染、枯れ、満腹、疲弊、焼き入れ、エラ、急速回復、損傷。当時はまだ手に入れる方法がなかった。それは薬瓶といっしょにあとで来る。でも「汚染」による死亡画面は、もう正直に原因を伝えていた。それまでは「ゲームモードに倒された」と書いていた。
4つの問い
9月10日、アナーキーの主要な問いにいっぺんに答えた。死ぬとアイテムは落ちる、イエス。買取屋はいる、ただしアナーキーだけ。サバイバルには相変わらずいない。爆発はブロックを壊す、イエス。この日まで、ゲームには何かを壊す爆発がひとつもなかった。
同じ日アナーキーには、メニュー、上位10人つきのプレイ時間カウンター、荒野へのランダム移動/rtp、サバイバルと同じ立体の境界をもつ領地、ランク、そしてクランができた。クランでは笑える話がある。誰もクランを作れなかった。財布がいっぱいなのに、ゲームは「所持金:0」と答えていたのだ。その日のうちに直した。
身につけているもの全部
9月12〜13日、ルールが動きだした。攻撃すると両者に30秒の戦闘マークがつき、次の攻撃ごとに延長される。マークが点いている間のログアウトは死で、テレポートで戦闘から逃げることもできない。ホットバーの上に戦闘ゲージができ、ちょうどゼロで消える。アナーキーで死ぬと、ポケットに入っていたものも身につけていたものも全部地面に落ちる。
死には倒した側にとっての値段、正確には報酬もできた。倒した相手のコインの一部がすぐ財布に入る。さらに、自分の財布から他人の首に懸賞金をかけられ、その標的を倒した人がもらえる。自分にはかけられないし、自分でかけた懸賞金は受け取れない。標的がサーバーを去ったり、かけた本人が倒したりしたら、お金は本人に戻る。
そして買取屋が登場した。最初は、ウィンドウが1回押すごとに1行ずつしか売れず、鉱山から戻った人は20回くらいクリックしていた。だから/sellの隣に、全部まとめて売る/sell allと、何も売らずに値段を知る/worthを置いた。
最初の爆発
9月12日、火打ち石で火をつけたTNTがはじめて爆発し、地面にクレーターをあけた。爆発はスポーンを避け、壊れたブロックの一部はドロップとして落ちた。9月15日からは爆発がダメージも与えるようになった。防具がダメージを減らし、死には専用の文言ができた。「爆発で死んだ」と「プレイヤーに爆破された」。本物の導火線、連鎖爆発、買取屋のTNTは、もう次の章の話。
何もできないスポーン
9月11日、短く言われた。「スポーンでは何も壊せない」。9月16日、アナーキーのスポーンマップ、424×424ブロックの建物は、まるごと壊せなくなった。何も壊せず、置けず、ドアを開けることも、建物のケーキを食べることすらできない。最後のはテストで見つかった。クリックに別のロックがなければ、誰でもブロックをひとつも壊さずに全部のドアを開け、全部のケーキを食べられたのだ。
同じころ、プラチナについても決めた。プラチナはネットワーク全体でひとつ。あるモードで手に入れたら、どのモードでも使える。
80以上のバグ
9月14日と15日、ふつうは後回しにすることをやった。ゲームのスクリプトを全部順番に読み直したのだ。2周目だけで111ファイル、約6万8千行。ゲームの中で生きていたバグが80以上見つかった。たとえばサバイバルでは、倒したモブの経験値が一度も入っていなかった。経験値ができたその日から。そして夫婦の「家へ」コマンドは、うれしそうに「おかえりなさい」と書くだけで、どこにも運ばなかった。今は家のあるワールドを正直に伝える。
そのころサバイバルでは
サバイバルにキッチンができた。大鍋でおかゆ、スープ3種(ニンジン、卵、チキン)、そして色だけが違うキャンディ7種を作れる。最初のキャンディとおかゆは、食べるとラスクのようにポリポリ鳴った。音は直した。そして、投げ捨てた付与効果つきの剣が効果を失わなくなった。前は床の剣2本が1本に「合体」して、効果が黙って消えていた。
ハンマーとパイク
この2週間の締めくくりは、ゲームに今までなかった武器。9月16日、ウォーハンマーが登場した。木の柄にイリジウムの打撃部がついた大槌。攻撃の前に高く跳ぶほど、強く打つ。ひと跳びで誰でも倒せないように、攻撃後ハンマーは30秒休み、高所からのとどめの一撃は相手にハート3つを残す。イリジウム4つと棒1本で作る。
9月17日、ウォーパイクが来た。空中を右クリックすると、前方5ブロックへ突き。とどめの突きはハート1つを残す。イリジウムと棒2本で作る。9月18日、パイクに付与効果「刺突」が乗った。突くたびに前へ飛び出し、レベルが高いほど遠くまで。そして剣の付与効果が6つ。「鋭さ」「天罰」「虫の天敵」「突き飛ばし」「火の呪文」「略奪」。
その途中で、誰も気づかなかった古い問題が見つかった。地面に立っているプレイヤーを殴ると、ノックバックで横にまったく動かなかった。きっちり0ブロック、上に跳ね上げるだけ。サバイバルの金のトランポリンも同じ理由で前に押さなかった。1か所直しただけで、攻撃はまた押し返すようになった。0の代わりに0.42ブロック。集団戦はこのあと別物になった。